あとがき 上江別物語作成の意義について


   
上江別小学校は開校7年目という歴史の新しい学校です。

校区にあるゆめみの団地もできでから十年足らずの歴史しかありません。

しかし、学校がある上江別地域の歴史はとても古いのです。

例えば、すぐ近くにある野幌丘陵ができたのは、数千万年前の事です。

野幌丘陵の土を6〜7m掘り起こすと数十万年前から、数千年前の地層が顔を

出します。そして、この数千年前の地層からは、縄文時代の遺跡が百数十カ所も

見つかっています。
  江別、並びに上江別の地域は縄文時代、アイヌの人々の時代、明治の開拓時
代、大正、昭和、平成の現代まで、人々の歴史が連綿と続いてきた土地なのです。

新しい町にある新しい学校ですが、この上江別小学校の建っている地域には、

とても古い歴史が隠されていることを上江別小学校の子ども達に知ってほしいと

思い、「上江別物語」を作成いたしました。

このお話集の中で、江別の地名について書いていますが、「江別」は、アイヌ語

で「大事な所」の入り口という意味です。

縄文時代やアイヌの時代は、野幌丘陵、石狩川流域、千歳川流域、即ち、江別、
上江別地域は、人々の暮らしを守る自然豊かな食糧庫でした。

そして、明治の開拓以降、上江別地域は、田や畑が広がるお米、野菜など食糧

の供給地でした。

平成の時代になって、上江別は田や畑が団地の町に様変わりしましたが、「大事

な所」の歴史は今も続いています。

かって江別で一番おいしいお米がとれた大事な田んぼの跡には、全道一大きい

上江別小学校が建っていて、未来の日本を担う子ども達を育てる「大事な所」に

なっています。

  大昔から、「大事な所」の歴史がある上江別の地域で育ち、学んでいる上江別
 小学校の子ども達には、是非ともその伝統を引き継いで立派な人に成長してほしい
 と願っています。

「上江別物語」の作成には、そのような願いも込められています。

現在、上江別小学校ホームページの「上江別物語」には、縄文時代から現代まで
のお話を六十三話掲載しています。
  今後も度々、上江別小学校のホームページをご訪問いただき「上江別物語」の
お話しを順次、ご拝読下さる事を願っております。           

        
              江別市立上江別小学校  第二代校長 木村 吉憲